会社選びでは福利厚生も重要だよね
どんな種類の福利厚生があるか説明していくね
福利厚生の種類(法定or法定外)
福利厚生は従業員の働きやすさや満足度を向上させるために企業が提供する様々なサービスや制度の総称です。福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分けられ、それぞれ異なる特徴と目的を持っています。本記事では、法定福利厚生と法定外福利厚生の違いや種類、過去と現在におけるニーズの変化について詳しく解説し、法定外福利厚生が充実している企業の特徴も紹介します。
法定福利厚生とは
法定福利厚生とは、法律で企業に提供が義務付けられている福利厚生のことを指します。主な法定福利厚生には以下のようなものがあります。
- 健康保険:従業員が病気や怪我をした際の医療費を補助する制度です。
- 厚生年金:従業員が定年退職後に受け取る年金を補助する制度です。
- 雇用保険:失業時の生活を支援するための保険制度です。
- 労災保険:労働中の事故や病気に対する補償制度です。
- 介護保険:介護が必要な高齢者を支援するための保険制度です。
法定外福利厚生とは
法定外福利厚生とは、企業が法律に基づかずに自主的に提供する福利厚生のことを指します。法定外福利厚生の内容は企業ごとに異なり、多様なニーズに対応するために様々なサービスが提供されています。主な法定外福利厚生には以下のようなものがあります。
- 住宅手当・社宅提供:従業員の住居に関する補助や社宅の提供。
- 食事補助:社員食堂や食事券の提供。
- 通勤手当:通勤費の補助。
- 研修・教育制度:スキルアップやキャリア形成を支援するための研修や教育プログラム。
- 健康促進プログラム:フィットネス施設の利用や健康診断の提供。
- レジャー・旅行補助:リフレッシュのためのレジャー施設利用や旅行補助。
- 育児支援制度:託児所の提供や育児休暇制度の充実。
- メンタルヘルスサポート:カウンセリングサービスやストレス管理プログラム。
- フレックスタイム制度:柔軟な勤務時間制度の導入。
- リモートワーク制度:自宅やカフェなどオフィス以外で働ける制度。
- 社内イベント:社員旅行やスポーツイベントなどの企画。
- 福利厚生クラブ加入:提携先の施設やサービスを割引で利用できるクラブへの加入。
- 資格取得支援:資格試験の受験料や講座費用の補助。
- 交通費全額支給:定期券の費用を全額補助。
- 家族手当:扶養家族に対する手当の支給。
- ボランティア休暇:ボランティア活動を行うための特別休暇制度。
- 長期勤続休暇:長期勤続者に対する特別休暇制度。
- ペット同伴出勤:ペットを職場に連れてくることができる制度。
- カフェテリアプラン:従業員が自分のライフスタイルに合わせて福利厚生を選択できる制度。
- 従業員割引:自社製品やサービスの割引提供。
- スポーツクラブ会員権:フィットネスジムやスポーツクラブの利用権。
- クリーニングサービス:制服や衣類のクリーニング補助。
- 託児所施設:職場内または近隣の託児所利用。
- 図書費補助:業務に関連する書籍や資料の購入補助。
- 医療費補助:健康診断以外の医療費補助。
- 社内カフェテリア:カフェテリア形式の食事提供。
- 自社株購入制度:自社株を従業員が購入する際の補助。
- リフレッシュ休暇:通常の有給休暇とは別のリフレッシュ目的の休暇。
法定外福利厚生が充実している会社の特徴
法定外福利厚生が充実している企業には、以下のような特徴があります。
- 従業員の声を反映:従業員のニーズや意見を積極的に取り入れ、福利厚生の充実を図っています。
- 多様性の尊重:従業員の多様なライフスタイルや価値観に対応するため、多様な福利厚生制度を整備しています。
- 健康とウェルビーイングの重視:従業員の健康促進やメンタルヘルスケアを重視し、関連するプログラムを積極的に導入しています。
- 柔軟な働き方の推進:リモートワークやフレックスタイム制度を導入し、働き方の柔軟性を高めています。
- キャリア支援:従業員のスキルアップやキャリア形成を支援するための研修や資格取得支援制度を充実させています。
- コミュニケーションの促進:社内イベントやチームビルディング活動を通じて、従業員同士のコミュニケーションを促進しています。
過去と現在のニーズの変化
福利厚生のニーズは時代とともに変化してきました。過去と現在を比較すると、以下のような変化が見られます。
過去のニーズ
- 安定した生活の確保:高度経済成長期には、住宅手当や通勤手当など生活の基盤を支える福利厚生が重視されました。
- 家族を支える制度:家族手当や育児支援など、家族全体をサポートする福利厚生が重要視されました。
現在のニーズ
- ワークライフバランスの重視:リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を支援する福利厚生が求められています。
- 個々のニーズへの対応:自己啓発やキャリア支援、メンタルヘルス対策など、個々の従業員のニーズに合わせた福利厚生が重要になっています。
- 健康とウェルビーイングの向上:健康促進プログラムやメンタルヘルスサポートなど、従業員の心身の健康を支える取り組みが増えています。
法定福利厚生と罰則
日本において、法定福利厚生は法律で定められたものであり、企業にはこれを提供する義務があります。法定福利厚生には、健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険などがあります。これらの福利厚生を提供しない企業には、さまざまな法的ペナルティが課されます。具体的なペナルティは以下の通りです:
健康保険・厚生年金保険
- 罰金:企業が健康保険や厚生年金保険に加入していない場合、労働者の被保険者資格を遡って認定し、その期間の保険料を徴収します。さらに、延滞金が課されることがあります。
- 是正勧告:社会保険事務所から是正勧告が行われ、改善が求められます。
労災保険
- 罰金:労災保険に未加入の企業は、労働者が労災に遭った場合、未加入期間の保険料に加え、損害賠償責任が発生することがあります。
- 刑事罰:労災保険法に違反した場合、最大で1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されることがあります。
雇用保険
- 罰金:雇用保険に加入していない企業には、未加入期間の保険料を徴収され、延滞金が課されることがあります。
- 是正勧告:ハローワークから是正勧告が行われ、改善が求められます。
介護保険
- 罰金:介護保険に未加入の企業も、遡って保険料を徴収され、延滞金が課されることがあります。
- 是正勧告:社会保険事務所から是正勧告が行われ、改善が求められます。
まとめ
法定福利厚生を提供しない企業は、罰金や延滞金、是正勧告などのペナルティが課され、労働者に適切な保護を提供していない場合、さらに法的責任を追及される可能性があります。企業は法令を遵守し、適切な福利厚生を提供することが求められます。法定福利厚生と法定外福利厚生は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、従業員の働きやすさや満足度を向上させるために重要な要素です。時代とともに従業員のニーズは変化しており、企業はこれに対応するために柔軟な福利厚生の提供が求められています。特に法定外福利厚生が充実している企業は、従業員の多様なニーズに対応し、働きやすい環境を整えることで高い従業員満足度を実現しています。今後も従業員の多様なニーズに対応するための福利厚生の進化が期待されます。
法定福利厚生はあって当たり前、法定外福利厚生の充実が理想だよね
法定外福利厚生の内容から企業の従業員に対する思いが読み取れるよね
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